chayarokurokuroの雑記ブログ

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志垣民郎 岸俊光『内閣調査室秘録 戦後思想を動かした男』文春新書

内閣調査室。GHQやCIAと結託して謀略を働く首相直属の闇組織。ハリウッド映画のスパイ物のように題材としてよく扱われたりしないだけにその如何わしさ、実体は謎に包まれ、怪しからん妄想を掻き立てられます。

内調が作られたのは戦後、吉田茂首相の時。吉田の秘書官だった村井順が「日本にもCIAのような情報機関が必要」だと述べたのに対して吉田「それでは、お前やれ」との返事で発足。1952年。
時は冷戦、戦時中には「天皇陛下の為に」死ねとのたまっていたような学者が戦後にコロりと平和平和と言い出し、180度ひっくり返って進歩的知識人と呼ばれる変わり様たるや何とも恥知らずなのかと言う笑い話から始まり、内調設立当初から関わりこの本の著者の一人でもある志垣氏の1970年代半ばまでの日記がほぼ最後まで続く内容となっている。
日記の内容は殆ど、「どこどこの学者に会って何々分野の事柄について伺った、面白し」といった記録。激しく智力体力のいる仕事かな。陰謀巡らす暇もなさげ。
進歩的知識人を攻撃すると言っても、その様なバイアスで知に向かうと正しい判断をし損なう恐れがあるわけで教養がいる。
歴史や政治学の資料としては面白い本かも知れないが、一般向けではないかな。