chayarokurokuroの雑記ブログ

読書記録、書評、歴史(九州倭国説)など

笹山晴生『古代をあゆむ』吉川弘文館

著者は1932年東京生まれ。秋田の高校から東大卒。東大名誉教授、文学博士の歴史学者。日本古代史の専門。東宮御所にて今上天皇が皇太子のときに日本史を講義されていた。樺美智子が安保闘争で亡くなった際に遺影を掲げデモ行進の先頭に立った方だそうです。
お父様の笹山茂太郎は秋田出身の農林官僚で戦後の開拓局長、自民党衆議院議員満州引き揚げ者の特集が昨年ごろNHKスペシャルで放送されてましたね。武骨な方だったようで戦中に熊本の営林局長に左遷されたとWikipediaにある。
この本は著者が発表してきた文章や講演の中から九篇を選んで収めた内容で、まとまったテーマを論じている物ではない。ゆかりのある秋田や熊本の古代史、古代史を学ぶための基礎知識や資料読解や修練方法、畿内王権の意義、景行天皇ヤマトタケルのエピソードの読み方など。

7世紀ぐらいにならないとヤマト王権的なものが確かにあったとはなかなか書けないのかなと。景行天皇ヤマトタケルの説話も古事記と日本書記で内容が異なり、ルートが不自然で地理に明るくない人物による記述、登場人物名も地名のついた兄弟ばかりで創造されたものか、とその様なことが述べられている。
皇室や各地の神社・一族が管理し、何かの理由であまり公にされたくない、またはされていない資料等も世の中には沢山有るんでしょうねぇ。それらによっては全く読み方が変わってくる。
知りたいよね、アッーッ!と驚く真実が。