chayarokurokuroの雑記ブログ

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宇沢弘文『人間の経済』新潮新書

2017年4月20日発行。リーマンショック後の社会状況をふまえ、本書の刊行を依頼。インタビューや講演録等をまとめた原稿を元に作成されたもの。人間の心を大事にする経済学、社会的共通資本の考え方など氏が長年考え、携わってきた事に関しての語り。

宇沢弘文 - Wikipedia
1928年鳥取県米子市生まれ。2014年に他界。東大理学部数学科卒業。河上肇の本を読んで経済学に転向。書いた論文がケネス・アローの目にとまった縁でスタンフォード大で彼の研究助手に。その後シカゴ大に移って36歳で経済学部教授。ノーベル経済学者のスティグリッツアカロフのお師匠さん。戦前戦後の日本人でも超一級のリベラル人でしょうね。数学者や理系の優れた人物って一見機械的にドライに思考してそうだけど、岡潔とか湯川秀樹とか読んでも同じような印象を受けるが非常に情緒的なんですよね。人間味があるというか。それでリベラルですから人の力を認めて、それを引き出すパワーがある。読んでいて自分にも何か出来そうな気がしてくる。細胞が活性化される感じがする。
新型コロナや社会経済の不安定な今、読むのにちょうと良いタイミングかな。