chayarokurokuroの読書ブログ

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溝口睦子『アマテラスの誕生』岩波新書

天照大神(アマテラス)は天皇家の皇祖神ということになっているが、実は嘘なんですよ。という本。

皇室が祖神として祀っているのはタカミムスヒ(高木神)だという。
アマテラスは、元々はオオヒル(オオヒルメノムチ)=日女(ヒルメ)という土着の太陽神で、この日の神を7世紀に皇室の祖神に格上げした。「天照」は「天照らす日女」というような枕詞や形容語が名詞化したもの。
アマテラスの娘の宗像三女神も、元は別々に祀られていたものを三神に無理やり一つにまとめたという。更に沖ノ島は宗像氏が独占しているが、そうではなかったと。



九州倭国説の立場をとる我が妄想としては、アマテラスや宗像三女神のデッチ上げ以前に、天皇天皇家ヤマト王権も7世紀以降のデッチ上げなので、アマテラスを特別視する理由もないかなと。
とはいえ、宗像信仰(アマテラスや三女神)がそのお膝元である福岡県で全国平均以下であるという統計的研究をされている静岡理工科大学の矢田浩名誉教授の論文などにもあるように、福岡や佐賀の神社を回ってみてもアマテラスや宗像三女神を祀ってる所は少ないんですよね。その理由として納得できる。

一方、高木神はいっぱいありますよ。長崎は高来縣だし、高来や高木という地名も、高木神の娘の千千姫に纏わりそうな地名も氏族も佐賀長崎にあるし、糸島の高祖神社も久留米の高良大社英彦山も高木神に関係あるし、高木神社や高城神社はあちこちに点在しているし。

ということで、六嶽神社と宗像大社伊勢神宮はアレということで…(‐人‐)



ところで、元伊勢籠神社は辺津鏡・内行花文昭明鏡と沖津鏡・内行花文八葉鏡を伝承していますよね。2つとも北部九州の弥生遺跡から出土する前漢鏡と後漢鏡。
アマテラスを卑弥呼と同一視し、崇神夫婦の名前につく「御真木」を久留米と繋げると、倭国邪馬台国(共に福岡にあった前提)との関係があったかとも思える。崇神や垂仁は四道将軍的な立場で関西に移った人物とその子孫だってことで。三重県桑名の額田も邪馬台国の官僚の奴佳鞮から来ているのだろう。こちらも四道将軍的な東征軍の一部として九州から移った。

そのように考えれば、7世紀にデッチ上げがあったにせよ、そこまでデタラメな感じはしない。と同時に倭国内での邪馬台国の「思わしくない立場」が透けて見えて来るというか。