今回は佐賀県唐津市鏡にある鏡神社です。「松浦総鎮守鏡神社」。
「松浦」という地名は五島列島あたりも松浦郡だったりして結構広い。その総鎮守。
『源氏物語』にも「松浦なる鏡の神」として出てくるといいます。
関係リンク 花たちばな |「源氏物語」に登場する鏡神社
旧称は鏡尊廟宮、鏡宮、松浦宮、板櫃社、久里大明神。
古来、鏡神社は松浦国の総社として尊崇され、松浦三社の一位に列せられていた。 鏡神社 (唐津市) - Wikipedia
場所
鏡山のふもとです。
唐津市のバイパス国道202号沿い「赤水」交差点にある目立ちすぎる鏡山の赤い鳥居から鏡山に登らず、伊万里方面へ500メートルほど行った所。
祭神
ここは社殿が2つある。一ノ宮と二ノ宮。
♢一ノ宮♢ 御祭神 息長足姫命(神功皇后) 創 建 仲哀天皇9年(西暦200年頃) 御神徳 武運長久・勝運・開運・聖母・子宝・安産 ♢二ノ宮♢ 御祭神 藤原廣嗣朝臣 創 建 天平17年(西暦745年) 御神徳 文武両道・魔除け・悪縁退散・心願成就・歌舞音曲 ♢楊柳観音菩薩♢(重文指定) 寄 進 明徳2年(西暦1391年)僧良賢 御神徳 病気平癒・健康長寿・諸願成就
一ノ宮は神功皇后。何でもかんでも神功皇后。「本当にそれでいいんですか?」と不満に思う訳だが、罰当たりそうなので口には出しません。
二ノ宮は藤原広嗣(ひろつぐ)。なんと乱を起こした人物を祀っている。
関連リンク 藤原広嗣の乱 - Wikipedia
藤原広嗣(ひろつぐ)は藤原不比等の三男・藤原宇合(うまかい)の長男。橘諸兄政権での唐・新羅対応の軍拡政策や天然痘の疲弊、吉備真備との政策の不一致などが乱の原因か。倭国を潰した祟りよ。
結局五島列島で捕まり、唐津で斬られた。こちらの鏡神社を「鏡尊廟宮」というのはお墓ということか?
「鏡宮」
由緒
中世は草野大宮司が云々。草野氏は筑後の名門氏族ですね。安倍姓松浦党にもあるようだ。
鳥居から正面にあるのは藤原広嗣を祀る二ノ宮で、神功皇后を祀る一ノ宮は右手にある。
子育て狛犬
足の間に子犬が挟まっている
鳥居から入って右側に、この一ノ宮
紫式部の歌
一ノ宮の左側から一ノ宮を写したもの
二ノ宮を右側から
二ノ宮
三つ巴紋で、八幡大神の神使の鳩までいる。物部大祝の鏡山氏の関係だからか。