バッグ製作を頼まれているのだけど型紙から作らねばならないもので、アイデアと技術の無さで頓挫している。気分晴らしにまたショルダーバッグを作ったのでメモ。
使用した革は姫路の昭南皮革製・昭南多脂のベリー部位(腹)。昭南多脂ベンズという商品を作るときに切り落としたやつ。ベリーと言えどもバチくそ良い革。原厚が約4.5ミリ。
4.5ミリ厚をフレンチエッジャーでひたすら地獄の漉き作業で2.0ミリに。レッツ腱鞘炎。
フレンチエッジャーは両端に角のような出っ張りがついており、それがストッパーの役割を果たす。刃が革に食い込み過ぎないようになっている。突き破る心配がなくなり初心者でも安全に革漉きができる。手動の漉きには一番良いんじゃなかろうか。
完成品
- 横:12cm
- 縦:17cm
- 高さ(厚み):5cm
- 重さ:220g
ランドセルみたいでヨシ。
前面と背面を底面で繋いでいる。底面のカーブした形状は万双というブランドのダブルホーウィンシリーズの長財布を真似した。
染色はSEIWAスピランの水色と青を混ぜたもの。藍色っぽくした。
色止め剤は手芸用品店で売っていた「アシーナ ポリウレタンバーニッシュ・マット」なる商品。一年ほど試しに使っているがしっかり色止めできる。ひび割れや剥がれ等は無い。水性ウレタンなので表面が若干固くなる。価格は118ml入りで1000円ぐらい。まあまあ使える。
糸はビニモMBTの8番と5番。色番号106のライトベージュ。蝋引きしている。理由は糸表面の雰囲気と、ヨーロッパ目打ちのステッチの斜め感の強調。蝋なしではなんか滑って斜めになりにくい。
色ムラがあるが、わざとやった訳ではない。肉眼では紺色一色に見えているが…。濃い目の染料を使うと勝手にアンティーク染めのようなムラになる。革染色は均一に染める方がぜんぜん難しい。
薄型のマグネットで蓋を留める方式。
マチは幅10ミリほどの縫い代を0.5ミリくらいに漉き、折り目を水で濡らして内側に曲げ、強力なゴム接着剤で貼っている。前・底・後ろ面の革だけを先に目打ちで穴開けし、側面を接着し、錐で貫通させながら縫った。バッグの厚みが5cmしかないので手が入りにくく、激しく縫いにくい。釣り針のような曲がった針があった方が良い。(YouTubeでレザークラフト塾ジュン氏の動画に針の加工法がある。ライターで針を熱して曲げる)
完成品を生で見るとかなり上出来なんですが(自画自賛)、写真で見ると粗が目立つ。写真や動画で見てマジで綺麗な革製品は生で見るとヤバいんやろね。精進いたします。
【追記】
上記の写真に写るバッグの色は紫がかった青に見えます。室内でスマホで撮影したもの。実物はもう少しイケてる青です(笑)。フィービング社のプロダイにロイヤルブルーという色がありますが、あのような色を目指して染色しました。
屋外で撮影したものはこちらでご覧になれます。
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