chayarokurokuroの雑記ブログ

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【レザークラフト】栃木レザーでショルダーバッグを作った

また作ってくれと頼まれたので、ありがたく栃木レザーで型紙からショルダーバッグを作りました。めっちゃめちゃ時間掛かった。数ヶ月。メモ。



牛革の半裁を初めて購入して約2年。今までバッグは10個以上作っている。結構頑張っている。失敗すると懐が痛すぎるので小さい物から始めた。外縫いと内縫いのトートバッグやショルダーバッグ、スマホショルダーバッグなど。それらの内装はほぼ全てスエード革か布地で作った。
今回は過去の反省を踏まえ、より豪華に、より丈夫な仕様にした。



本体サイズは、縦29センチ、横27センチ。
ショルダーストラップのサイズは、幅2.5センチ。長さは約82センチと約43センチをバックルで止める式で、繋げて約115センチ(調節可)。へり返しを二枚重ね。
全体の重さは約560グラム。

ファスナー式の口にしている。型紙を普通に長方形で作ると、バッグの口を閉じた時に逆台形のフォルムになるのが嫌だったので、型紙は台形の底辺を合わせたような形状にした。口を閉じると台形ではなく四角くなっている。

革は栃木レザーのヌメ革の1ミリ厚を使用。SEIWAスピランの茶色で薄めのキャメル色に染色。
染色直後乾かない内に、ニーツフット油、米油、少量の荏胡麻油、SEIWAネオパール、水と少量の無臭柿渋の混ぜ物を塗って日陰で自然乾燥。その後クラフト社レザーコートつや消しを2度塗り。 とどめに蜜蝋、カルナバ蝋、ニーツフット油の混ぜ物を塗って数日日陰で放置。



マチは無しでパイピングは無しという指示だったがマチは6~5センチほどになるようにしている。縫い代は手作業で薄く漉き、余った部分は折り曲げてボンドで止め、補強のため縫った。
角カンを止めている所やショルダーベルトの中身などには全て伸び止めの布を貼って補強している。



ベルトは幅2.5センチ。5センチ幅の革を少し漉き、中に伸び止め用の布をボンドで貼り、中心にへり返して折り曲げたものを2本作り、貼り合わせて縫い止めている。内側の革は色移りを懸念して染色していない。凄く高級感のある仕上がりになった。
バックルはSEIWAのだったかな、真鍮製にニッケルメッキだったかなw 覚えとけよってw 真鍮製高いよ。


へり返した革はこんな感じ


2.5センチ幅のベルトを作る際、1枚革で作っても良かったが床面が見えてしまう。より高級感を増す為に2.5ミリ幅を二枚重ねて両銀面にすると材料費が2倍以上掛かる。以前作ったがコバ処理が大変で、1本のベルトを作るだけで染色抜きで丸1日掛かった。
今回はコバ処理したくないのと更に高級感を増す為にへり返した仕様にしたが、5センチ幅を二枚使っているので材料費は1枚革の時と比べて4倍以上掛かっているということになる。



外にファスナー式のポケット。なぜかここの金具だけ金色。YKKの通常のメタルファスナー。



ポケット内装はレーヨンのシャンタン。レーヨンは軽くて良いが水に濡れるとシワがより戻らなくなる。シャンタンは高級感あってよい。



上部のファスナーはYKKの最上級のエクセラ。通常のメタルファスナーの2~3倍の値段。引き手からしてカッコいい。ムシも高そうに見える。




バッグの内装に使った布地はポリエステルと綿の混合で、ヘリンボーン(ニシンの骨)と呼ばれる模様のついた織り方の物。高級感があり、シワが付かない。
ポケットの布地の周囲には厚さ約0.4ミリ、幅1.5センチの革を二つに折った物を被せて補強した。縫い易くもなる。
ポケットにテンションが掛かって裏地が破れたりしないように裏地の外に補強用の布を貼っている。





高さor幅が30センチほどの内縫いのバッグは過去に2つ作ったが、外側の革の内径と内側の布袋の外径を合わせるのが難しい。布は伸びないので寸法をピシャッと合わせて完成させないと、最終工程で縫う時に合わなくて作り直しになったり…。ちょっとズレるとシワになったり距離が足りなくなったり…。

バッグの中でも比較的簡単な部類の筈だか、難しい。
今回のは高級感ある出来映えで自己満足度80%。以上。