chayarokurokuroの雑記ブログ

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福岡県久留米市大善寺玉垂宮と筑後市熊野神社の鬼夜

福岡県久留米市大善寺玉垂宮と筑後市熊野の熊野神社で毎年正月に行われている鬼夜という火祭りを見てきた。

大善寺玉垂宮(だいぜんじ・たまたれぐう)は筑紫の政事を行っていたと伝わり、九州総社・鎮西11ヶ国の宗廟とも言われる筑後国一の宮高良大社で祀られる高良玉垂命が元々いた場所だという。
色々隠してあるようで謎が多く、いまいちよく分からんのですけど、6世紀中頃までここを含め倭国の都を置いていたんじゃなかろうか。663年の白村江の後、太宰府に筑紫都督府がおかれるので、その頃には筑前国に都を移してあったのかなと個人的に考えている。

『鬼夜』は、玉垂命(=藤大臣)が仁徳天皇56年に肥前国水上にいた桜桃沈輪(ゆすらちんりん)なる賊を松明をかざして討ち取り、その首を焼き払った故事を起源とする祭りだという。
鬼夜 - Wikipedia
肥前国水上とは佐賀の川上峡の辺りだそうで、與止日女神社と関係しているのか。「我ら兄弟に敵うものはいない」とのたまう熊襲タケル(川上タケル)と筑後勢とのドンパチか。
桜桃沈輪だの羽白熊鷲だの九州の賊は洒落た名前がつけられている。

まずは大善寺玉垂宮から。

大たいまつ。全長13メートル 重さ1.2トン。褌とさらし姿の酔っ払った男性らが木の棒で火の着いた松明を下から支えている。大善寺では6基。



本殿向かって右手にある鐘塔の前に六基が横に並んでいる。



写真右側に観覧席まである。人多し。







本殿前に設営された舞台上に直径150センチほどの大太鼓。両側からふたり同時にドカドカと延々打ち鳴らし。疲れたら交代。舞台に10人ほど交代要員が待機。
英国ロックバンドDeep Purpleの曲「ファイヤーボール」のようなドラミングで激しくかっこよい。



松明の正面に回り込んだ。写真左側の塔で鐘を延々と鳴らしている。太鼓とタイミングが合っていない。鐘はマレット的な柔らかい物で叩いているのか、モワーンモワーンとした可愛い音がする。





しばらく燃やしたら、いよいよ社殿の周囲を右回りに回る。



本殿左側を通過中。松明は下から棒で支え、松明の尾から出た二本の綱を多くの観覧客が前側に引っ張ることで前進する。綱引きは誰でも参加可。





社殿左側奥に待機する1基目。6基すべてを一旦社殿左側に集結させてから回る。渋滞するので。





2基目が本殿・門前間を通過中。





玉垂宮は以上で。

次は熊野神社

こちらは大松明が3基。大善寺のより若干だが小さい気がする。少し細い。松明の本体は竹で出来ているが、時折破裂音がする。大善寺のは良く乾かしてあるようだった。





男衆の持つ木が長槍を担ぐ武者のようで、古代の戦場の如し。太鼓や鐘を鳴らすのもやはり軍事の祭りだからこそ。だが、熊野神社では太鼓は鳴らしていない。鐘は木槌でカンカン鳴らす。



槍の柳川、剣の久留米、鉄砲の薩摩、でしたっけ?



松明の上に男性が登っている。ちっごの煮上がりモンです。松明をまとめている縄を切っている。乾燥させた杉の葉?を何本もの長い竹で巻いて縄でグルグルと止めてある。焼け進んで竹炭が落ちやすいように縄を切ってる(たぶん)。



関係ないけど調子こいた奴を、筑前でノボセモン、筑後でニアガリモンという。倭国盟神探湯(くがたち)で火傷してしまう者の事よ、知らんけど。ホリエモンも煮やが(ry)。



鬼夜は以上です。熊野神社は2024.1.6、大善寺玉垂宮は2024.1.7に行われました。だいたい21時頃に着火し、それから社殿を回るので結構夜遅くまで続く。
太宰府天満宮でも同じ日に「鬼すべ」という火祭りが行われた。大分県国東半島(くにさき)にある六郷満山でも同じ時期に「修正鬼会(しゅじょうおにえ)」があるという。六郷満山とは国東半島の寺院群の総称。

大善寺でハッピを来たおじいさんに「筑後熊野神社にも鬼夜があるが関係あるのか?」と訊いてみたが、無いらしい。そんな事はないだろう。桜桃沈輪を倒すのに大善寺周辺の勢力だけでやらんでしょうし。桜桃沈輪討伐が事実かどうかは知らんけど(大善寺玉垂宮と筑後市熊野神社は7.1キロの距離)。「大善寺の座主は隈氏ですよね?」と訊くと「漢字が違う。」と。まぁ確かに。全国の熊野神社は和歌山からの勧請のようにいうが、元祖は九州だと思うているので。はい、こじらせ系。

現在の高良大社宮司は竹間宗麿さんで、隈さんと似ていますけど(漢字が違う)、チクマと言えば『日本書紀神功皇后52年9月10日に百済から七支刀を持ち帰った千熊長彦がいる。子孫なのだろうか。高良大社神職5姓に千熊氏は無いが倭国の外交官か。

今年あたりは従来から言われてきたGDPの米中逆転の予想の年だ。世界経済国際秩序が乱れ、米ドル離れでゼログラビティで云々かんぬんで、どさくさ紛れのドンパチやら何やらと物騒な年にならないことを祈る。
(GDPの米中逆転予想は2037年と、英シンクタンク)